体験行事の意義

 前進塾では、季節に応じて様々な「体験行事」を行っています。その中でも最大のものは、令和3年度で30回目を迎える「サマーキャンプ」です。日程は毎年、初めて聞くと大抵驚かれる「5泊6日」です。「勉強するときは徹底的に学習に打ち込み、遊ぶときはすべてを忘れて熱中する」というのは、前進塾の基本理念の一つ、何事にも一生懸命という考えそのものです。
 では、「そんなことやって本当に何か意味があるの?」「もう少し短くてもいいんじゃない」って言う声が聞こえてきそうですが、それについてお話しします。まず、実施の意味についてです。これが、このページの本題でもあります。まず、人は誰しも集団の中で生きていかなくてはなりません。年齢が上がるにつれて、その規模が多くなり、範囲も広がっていきます。当然、その集団の中では共通なルールが必要です。そして、そのルールはそれぞれの集団によって多少異なるでしょうが、すべてに共通なこともあります。それは、ルールと言うよりマナーと言った方がいいかもしれない内容です。「決められた時刻を守る」、説明など(学校なら授業・企業ならプレゼンなど)の時は「人の話を熱心に聞く」、人に会ったら「あいさつをする」、何かしてもらったら「お礼を言う」、迷惑をかけたら「お詫びをする」などは、すべて当たり前のことです。でも、これができていない子供たちって結構多いんです。例えば集合時刻について、これは携帯電話が普及し始めて「遅れるなら電話1本(最近ならラインを)しておけばいい」と思っている人って結構多いですよ。連絡手段があるにせよ、絶対に遅れないというしっかりとした準備をし、時間には常に気をつけ5分前に行動することです。他のこともそうですが、これらのことを少しでも習慣づけるには、ある程度の期間が必要なんです。
 そして、最近の子供たちは、テレビはもとより、ネットなどで多くのことを疑似体験しています。いわゆる「バーチャルリアリティー」と呼ばれる仮想現実の世界です。技術の進歩でそこにはないものがまるで手元にあるように感じ、中には感触も体感できます。行ったことのないところへもこれを使えばあたかも行ったような錯覚を覚えます。とても素晴らしいことではありますが、やはり最後は「触って自分でやってみる」「実際にその場所に行ってみる」と言うことをしないと、本当の体験にはなりません。それによって得られるものも違います。体験行事では、様々なことを実体験することによって、創造し工夫する力が養われます子供たちの心の成長を促してくれるのです。
 また、覚える(記憶する)ことが学習の大前提ですが、この記憶には実体験の有無が深く関わっているのです。(詳しくは、「効率の良い学習方法~記憶のメカニズムを知ろう~」を参照して下さい。)結論だけ言うと、体験行事は子どもたちの創造力を養い心を成長させるだけではなく、さまざまな事柄の記憶を確かなものとするための手助けとなっているのです。
 前進塾の体験行事は、少しでも参加しやすいように(保護者の方の負担が少ないように)実費のみの負担または参加費無料で実施しています。これができるのも、前進塾はチラシの折り込みなどの広告費をほとんどかけていないからなのです。そしてもう一つ大きな力があります。それは、卒業生の手助けです。自分たちが学生だったときの体験を後輩たちにも是非させてほしいと、手伝いに来てくれるのです。
 これからも、子供たちの心の成長の一助となるように、新たな内容を加えながら、そして、周りの方の手助けを借りながら、これらの体験行事は是非続けていきたいと考えています。